意識が遠のく前に、勢いよく噴き出していた血が、だんだんおさまってき（てしまい）ました。おそらく、切ったのは動脈ではなく、静脈だったのでしょう。リストカットですよね。確実に死ねる方法を選択する余裕もない程、当時の私は追い詰められていたのかもしれません。さりとてもう一度、確実に死ねる行動を起こす気力は、残っていませんでした。どうしたらいいのか・・・私のとった行動は、なぜか119番通報でした。
もう、これで最期、と思い、最後の晩餐までしたのに、何時間後には生きようとしている・・・今考えると、矛盾していますが、当時の私は、それ程混乱、いわゆるパニック状態だったのかもしれません。
救急搬送された病院では、傷の程度はそれほどひどくなかったので、何日かで退院しました。ただ、リストカットだったということで、（確か）精神科を紹介されました。そして、私の両親は、この一件で、私が摂食障害だ、ということを、（おそらく）初めて知ることとなりました。
その後、とりあえず会社を休職し、治療に専念することとなりました。親は、おそらく私以上に混乱していたと思いますが、いくつかの医療機関や、カウンセリング機関を見つけては、私を連れて行きました。中には、「食欲を抑える針治療」というところにも通った記憶があります。まあ、そのような治療が、摂食障害にどれだけ効果があるのかは、わかりませんが。とにかく、親も必死だったのだと思いますが、当時の私には、私の心の内側を理解しよう、という姿勢には欠けているように見えました。
